2009年、17歳の時にプロデビューした将棋の棋士、永瀬拓矢さん。
王座のタイトルを獲得されてから「永瀬拓矢王座」と呼ばれています。
持論は「将棋は才能ではなく努力」といわれているとおり、研究会(みんなで集まって将棋を指す場)に出席する時間は年間5000時間とも言われているほどとにかく熱心な勉強家。
食事時間さえもロスタイムにならないように店が混んでいる時間は絶対に避けるなど、将棋に費やす時間は1分1秒でも無駄にしないタイプ。
色んな意味で大変ストイックな性格だと知られています。
そんな永瀬拓矢さんは格式あるタイトル戦で和装をせず、スーツを着て戦いに挑んでいる姿が将棋ファンたちの間で議論されているようです。
そこで今回は永瀬拓矢さんがタイトル戦でスーツを着る理由、タイトル戦で和服である必要性、和装、スーツ姿の画像など、プロフィールを紹介しながらまとめてみたいと思います。
永瀬拓矢がタイトル戦でスーツを着るのはなぜ?
この写真は2021年11月、将棋の第69回王座就任式に和服姿で出席された時のもの
和服姿の永瀬拓矢王座、笑いをこらえた表情がとても印象的ですね☆
永瀬拓矢さんがタイトル戦でスーツを着用していることが将棋ファンたちの間であまりよろしくないとの意見が交わされているようです。
永瀬拓矢さんがスーツを着る理由を一言でいうと、
「着慣れない和服よりスーツのほうが本来の仕事である将棋を指すことに集中が出来るから」ということのようです。
和服とスーツ、どちらが落ち着くのかは人それぞれだと思いますが、永瀬拓矢さんはスーツのほうが自分のパフォーマンスを最大限に発揮できると判断されたのでしょう!
実際、トイレに立った時のことを考えてもスーツであれば数分ですむものの、和服はどう考えてもその倍の時間がかかってしまいそうです。
1分でも早く席に戻りたいと思えば脱ぎ着しやすいスーツを選ぶのは不自然ではないかもしれません…。
このような理由から永瀬拓矢さんは、事前に主催者を通して対局者と開催地に承諾を得た上でスーツを着用されているそうです。
将棋のタイトル戦で和服である必要性は?
将棋のタイトル戦で和服である必要性について
これは将棋の歴史が関係しているように思えます。
将棋の世界には、8つのタイトルをかけて勝負するタイトル戦と一般棋戦というのがあるようです。
タイトル戦は1年に1回防衛戦があり、下から上がってきた挑戦者と戦って勝つことによりタイトルを守るいわゆる将棋界の最高峰とも言えます!
それに対し、一般棋戦は防衛戦というのはなく、たとえ前回の優勝者であってもまた1から戦って上を目指さなければならないというもの…。
ちなみにタイトル戦には8つのタイトルがあり頂上が竜王で一番下が棋聖となっています!
★8つのタイトルの格付け★
竜王(りゅうおう)
名人(めいじん)
王位(おうい)
王座(おうざ)
棋王(きおう)
叡王(えいおう)
王将(おうしょう)
棋聖(きせい)
※永瀬拓矢さんは2022年現在、王座です
このようにタイトル戦は「特別な勝負」との意味合いを持ち、一般棋戦と区別をするために一流ホテルの一室など、格式ある場所が対局場に選ばれています!
日本での将棋のルーツは?
平安時代に将棋の原型ができる
室町時代になるとルールが決められる
江戸時代には礼儀作法が加えられ、単なる遊びや勝負ごととは違った存在になる
歴史の流れをたどり、江戸時代から正式に始まったとも言える将棋という競技は日本の伝統文化の一つでもあります。
そこで、服装に関しても日本古来からの伝統に従い「和服」を着用し、神聖なる対局の様子をテレビ中継でファンに届けようという目的があるようです。
和服を着なければならない明らかな規則はないみたいですが、棋士の間では「タイトル戦では和服を着なくてはならない」という暗黙の了解がどうやら出来上がっている様子。
このような理由から、将棋の価値を高めて特別感を出すためにも「お手軽感のある」スーツよりも和服を着用したほうが大勝負に望ましい、あるいは必要だと思われているようです。
必ず和服を着なければならないという規定がないタイトル戦に対し、将棋日本シリーズでは和服着用の義務が明記されています。
将棋日本シリーズ
将棋日本シリーズとは、日本将棋連盟と開催地の新聞社により開催され、日本たばこ産業特別協賛による将棋の大会のことです。
永瀬拓矢は和服で対局したことはある?
永瀬拓矢さんは、基本的にスーツでの対局が多いようですが、和服も着ておられます(*^^*)
初タイトル獲得の時も和服でした!
2019年5月11日、広島県廿日市にある「みやじまの宿 岩惣」でのインタビューの一枚(^O^)/
悲願の初タイトル獲得で本当に開放的で嬉しそうな表情です( ◠‿◠ )
永瀬拓矢さんは2020年頃までに行われた対局までは和服を着用されていたようです。
しかし、最初は和服で対局するも、昼休憩を境目に慣れたスーツに着替えて登場するシーンもたびたび見られた様子。
その時のインタビューの中での発言
和服は着慣れない点が多く、スーツのほうが指しやすいので、対局しやすいように着替えました
和服とスーツ、どちらが着慣れているかは人によってまちまちですが、永瀬拓矢さんは明らかにスーツのほうが楽で競技に集中できたみたいですね!
タイトルを獲得してからスーツでの登場が多くなられましたが、2021年のJT杯2回戦第3局で糸谷八段を破った時には和服を着用されています!
その時のインタビューの中で
1年ぶりくらいですね。
新鮮な気持ちになりました。
着方が分からないので途中で緩んでしまって脱げたらどうしようかと…(笑)
タイトル初挑戦の時の気持ちを思い出しました!
このように感想を語られています(*^^*)
永瀬拓矢のスーツと和服の画像!
永瀬拓矢王座のスーツ姿と和服姿を何枚が抜粋してみました!
【2020年6月、藤井聡太七段との王位戦挑戦者決定戦のため、対局室に入るところ】
【2020年10月、初のタイトル防衛を果たしたとき】
【対・羽生善治戦での一枚】
やはり慣れない和服のせいで暑くなるのか‥扇子で仰ぐ姿が印象的!(^^)!
【斎藤慎太郎王座から王座を奪取したとき】
本人はスーツのほうが楽だと言われていますが和服姿も違和感がなくてよくお似合い(#^.^#)
永瀬拓矢のプロフィール
★永瀬拓矢王座のプロフィール★
名前:永瀬拓矢(ながせ たくや)
生年月日:1992年9月5日(30歳)(2023年6月現在)
プロ入り:2009年10月1日(17歳)
出身地:神奈川県横浜市中区
家族:父、母、妹、弟
所属:日本将棋連盟(関東)
在位中タイトル:王座
段位:九段
あだ名:軍曹(将棋に対する厳しい姿勢や発言からつけられた)
趣味:漫画
好物:バナナ
幼少期:書道、水泳、公文、家庭教師に教わる
将棋を始めたきっかけ:6歳の時に祖父に教えてもらったこと
2019年に初タイトルの叡王を獲得した後、同年に王座を獲得!
棋聖戦前夜祭の永瀬拓矢さんと藤井聡太さん
向かって左の永瀬拓矢さんが29歳、右の藤井聡太さんが19歳!
二人は10歳も年が離れていますが大の仲良しなんだそうです!
さらに永瀬拓矢さんの父親は神奈川県川崎市で家系のラーメン店「川崎家」を経営されており、店内には将棋関連グッズも並べられて賑わっているそうですよ。
まとめ
永瀬拓矢さんが日本の伝統文化の一つである「将棋」という競技の中でも「ひのき舞台」とも言えるタイトル戦になぜ和服ではなくスーツを着用しているのかなどについてまとめてみました。
ほとんどの棋士が和服で対局されているのにそれでもスーツを選んでいるのにはご本人なりのどうしても譲れない理由があるようです。
しかし、事前にスポンサーや開催地や対局者に対して許可をちゃんと取られているところなどにも好感が持てます。
周りの人から見た永瀬拓矢さんの性格は、
繊細で人に気遣いができて優しく、嫌なことがあった時はすこし引きずるタイプだと言われています。
永瀬拓矢王座の研究室には15種類くらいのペットボトルがいつも30本くらい置いてあり、訪れた人に「自由に飲んでいいですよ!」と声をかけたりするなど、とても気遣いができる人だと評判です。
他にも「永瀬拓矢」で検索すると「バナナ」という文字が出るくらいに永瀬拓矢王座はバナナ好きで、対局中の”バナナ食い”は有名なんだとか‥。
なかなか可愛いですね(*^^*)